デジタル鑑識業務約款

第1条(総則)

本約款は、合同会社デジタル鑑識研究所(以下「当社」といいます。)が、お客様に対して、お客様から依頼を受けた証拠解析のための調査(以下「デジタル鑑識」といいます。)を実施するための諸条件を定めるものです。なお、以下では、本約款に基づいて当社とお客様との間で成立する契約のことを「本契約」といいます。
2 本約款は、デジタル鑑識に関連して、当社とお客様の間に生ずる全ての事項に対して適用するものとします。
3 本約款において「デジタル鑑識」とは、情報管理やシステム運用に関して保安上の脅威となる人為的な事象への対応や法的紛争及び訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全並びに調査及び分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん及び毀損等についての分析、情報収集等を行う科学的調査手法及び技術をいいます。
4 お客様は、本約款に同意した上で、当社に対して、デジタル鑑識の申込をするものとします。
5 当社は本約款を変更することがあります。この場合、本約款の変更に伴う提供条件(料金その他を含みます。)の変更は、特段の定めがない限り、本約款の変更と同時に、自動的に全ての本契約に適用されるものとします。なお、本約款の変更に際しては、当社は当該変更の対象となるお客様に対し事前にその内容を告知します(告知は、当社のWebページなどで行います。)。

第2条(契約の成立)
本契約は当社が提出した見積書に対しお客様が承諾した場合に、その承諾の日をもって成立するものとします。
2 お客様またはお客様の役員、社員が暴力団、犯罪組織その他の反社会的勢力と関わりを有する場合には、申込資格がないものとします。
3 万一、本契約成立後に申込資格がないことが判明した場合(本契約成立後に申込資格がなくなった場合も含みます。)には、当社は直ちに本契約を解除します。
4 当社は、デジタル鑑識の申込を承諾しないことがあります。その場合、当社は申込者に対しその旨を通知しますが、承諾しない理由の説明義務は負わないものとします。

第3条(調査)
お客様は、当社がデジタル鑑識を行うにあたり、次の各号に定める事項を履行するものとします。デジタル鑑識が開始された後に本条各号に定める事項が遵守されていないことが判明した場合には、当社は、当社の裁量で、いつでもデジタル鑑識を中止することができるものとします。
(1)当社に対し、デジタル鑑識対象となるすべてのハードウェア、記録および文書を開示、無償貸与すること。なお、当社は、本契約が終了した後速やかに、貸与品を返還または廃棄するものとします。
(2)当社担当者および当社の指定する者がお客様の事務所および作業エリアへ立ち入ることおよび関係者へのヒアリングを許可し、かつ、これらが円滑に行われるよう配慮すること。
(3)デジタル鑑識対象となるハードウェア、その付属品および周辺環境等の証拠保全が確実に図られていること。
(4)責任者を選任し、当社に通知すること。
(5)お客様は、デジタル鑑識対象先に第三者の権利または利益にかかる、紙媒体に含まれる情報または電子計算機内のハードディスク・ドライブおよびSSD、CD、DVD、Blu-ray Disc、USBメモリ、SDカード、フロッピーディスク、サーバー内のハードディスクドライブ、スマートフォン内のフラッシュメモリ等の電磁的記録媒体に含まれる電磁的記録(以下「電子データ」といいます。)等がある場合は、当該第三者からデジタル鑑識に必要な同意を取得すること。万一、デジタル鑑識の遂行にあたり、当社が当該第三者から苦情、訴訟等の請求を受けた場合には、当社はお客様に速やかに当該請求等につき書面により通知するものとし、お客様は、自己の費用と責任において、これを処理するものとし、当社に一切の負担を求めないものとします。
2 当社は関係者から事故状況に関するヒアリングの実施後に、当社の裁量で、お客様に対して書面または口頭で一次報告をすることがあります。なお、一次報告は、次項に定める報告書の記載事項を拘束するものではなく、また、当社は一次報告を修正する義務を負わないものとします。
3 当社は、デジタル鑑識の終了後、被害範囲、原因、発生日時、再発防止策の評価等に関する最終レポート(以下「報告書」といいます。)を書面にて提示します。
4 お客様は、報告書に誤りを発見した場合は、報告書納入の日から起算して7日以内に限り、理由を明示して当社に修正を求めることができるものとします。ただし、合理的な理由により、当社が修正の必要を認めない場合は、その修正に応じないことができるものとします。
5 お客様が報告書の内容を了承したとき、または報告書を受領した日(前項により報告書を修正した場合は修正した報告書を受領した日)から起算して7日が経過したときをもって、デジタル鑑識は終了したものとみなします。
6 お客様は、デジタル鑑識の際、自己の従業員(派遣社員、業務委託先従業員を含みます。)をデジタル鑑識に同席させるときは、その者の機密保持について全責任を持つものとします。
7 お客様は、デジタル鑑識の終了をもって、当社の請求に従い、次の料金を当社に支払うものとします。
(1)デジタル鑑識料金
(2)現地までの移動費用、宿泊費等の実費

第4条(本サービス提供の一時停止)
当社は以下の各号のいずれかいずれかの事由が生じた場合、本サービスの一部または全部の提供を一時的に停止することがあります。
(1)天災地変、戦争、内乱、騒擾、労働争議その他労使関係上の紛争、不可避の事故、法的制限、その他、当事者の支配し得ない一切の原因により、本サービスの提供が困難な場合
(2)その他、運用上または技術上、当社が本サービスの一時中断もしくは停止が必要であるか、予見不可能な事態により当社が本サービスの提供が困難であると判断したとき

第5条(機密保持)
お客様および当社は、本契約を通じて知り得た相手方固有の技術上、販売上その他業務上の秘密情報およびこれらに含まれる個人情報(以下「機密情報」といいます。)を第三者に対し漏らし、または、デジタル鑑識以外の目的で使用してはならないものとします。
2 前項に関わらず、次の各号のいずれかに該当する情報は機密情報に当たらないものとします。
(1)受領者が開示を受けた時点で、既に合法的に知得していた情報
(2)受領者が開示を受けた時点で、既に公知となっていた情報
(3)受領者が開示を受けた後、受領者の故意または過失によらず公知となった情報
(4)受領者が機密情報に依存することなく、独自に開発、作成した情報
(5)受領者が第三者から機密保持義務を負うことなく合法的に入手した情報
3 当社は、お客様から開示、提供された資料等を、デジタル鑑識上必要な範囲で複製または改変することができるものとします。
4 当社は、国、地方公共団体、裁判所その他これらに準ずる機関から法令上の根拠に基づきお客様の機密情報の開示を求められた場合は、機密情報を開示することができます。ただしその場合は、法令および上記認定機関との契約によって規制されない限り、当社はお客様に通知するものとします。
5 本条の規定は、本契約の終了後も3年間効力を有するものとします。

第6条(当社が行う契約の解除)
お客様が本約款に違反した場合、当社は直ちに本契約を解除することができるものとします。
2 当社は、お客様において本契約の継続または第 11 条に定める金員の支払いが困難であると判断したときは、お客様に通知することなく、いつでも本契約を解除することができるものとします。
3 前各項の定めにかかわらず、お客様または当社が以下の各号のいずれかに該当したときは、相手方は何らの通知、催告を要せず直ちに本契約の全部または一部を解除することができます。
(1)支払停止、支払不能または債務超過の事由が生じたとき
(2)手形または小切手が不渡りとなったとき
(3)差押、仮差押もしくは仮処分の申立てがあったとき、または公租公課の滞納処分を受けたとき
(4)破産、民事再生または会社更生等の手続開始の申立てがあったとき
(5)監督官庁より営業許可取消または停止等の処分を受けたとき
(6)解散(合併の場合を除きます。)したとき
(7)労働争議の発生、債務の履行猶予の申入れ、事業の全部または重要な一部の譲渡、資産、信用または事業における重大な変更、その他、債務の履行が困難と認められる相当の事由が生じたとき

第7条(結果の無保証)
電子データの状況によっては、調査依頼項目に関連した結果が得られない場合があります。
2 デジタル鑑識結果は、調査時点での電子データの状態に基づくものであり、過去における関連する情報の存在または不存在を証明するものではありません。
3 デジタル鑑識には万全を尽くしておりますが、データ量および調査時間の制約によっては、すべての情報を取得できない場合があります。
4 デジタル鑑識の過程において、調査対象機器内に不正行為または犯罪行為等の証拠または痕跡を示す情報を発見した場合は、すべてお客様に報告します。

第8条(報告書)
報告書は、お客様の情報セキュリティ対策の参考資料として当社がお客様に提示するものであり、それ以外のいかなる目的にも適合するものではなく、情報セキュリティ対策を実施する責任はお客様にあることをお客様はあらかじめ承諾するものとします。
2 報告書において、お客様の情報セキュリティ対策として記載されている方法は、汎用かつ一般的なものであり、お客様のインターネット環境によっては当該方法が適合せず、お客様が行う情報セキュリティ対策に不具合が生じうる場合があることをお客様はあらかじめ承諾するものとします。
3 報告書は、お客様によって当社に提供された情報および設備等に依拠して提示されるものであり、依拠した情報および設備等の誤り、不足、不具合および瑕疵等があった場合は、報告書の記載がお客様に適合しないことがあることをお客様はあらかじめ承諾するものとします。
4 報告書は、デジタル鑑識時点において、通常想定しうる不正に対する危険性とその対策を提示するものであって、通常想定しえない方法で不正が行われた場合は、この限りではないことをお客様はあらかじめ承諾するものとします。
5 報告書は、当社が第三者の立場で行った公正なデジタル鑑識の結果を報告するものであり、お客様の意思や意向に沿わなかったり、不利益な記載になったりすることがあることをお客様はあらかじめ承諾するものとします。
6 報告書は、証拠から認定される事実およびそれらから合理的に推測できる事項のみを記載するものとし、その範囲を超える想像または仮説の記載は行いません。
7 前各項の場合に、お客様に損害または不利益が生じても、当社は責任を負わないものとします。

第9条(損害賠償)
万一、お客様が当社によるデジタル鑑識に起因して何らかの損害(情報等が消失、破損もしくは減失したことによる損害またはお客様が報告書から得た情報の使用等に起因する損害を含みますがそれに限定されません。)を負うことがあっても、当社は、その原因の如何を問わず、一切の賠償責任を負わないものとします。
2 前項の規定にかかわらず、当社が本契約に違反したことにより生じた賠償責任については、当該違反に起因して発生した通常かつ直接生ずべき損害(逸失利益および特別利益は含みません。)の範囲で、当該違反日より前 6 か月の間にお客様が当社に支払った料金の合計金額を損害賠償金額の限度とします。
3 お客様が報告書を利用したことにより第三者に損害を与えた場合、お客様は自らの責任において解決するものとし、当社は一切の賠償責任を負わないものとします。

第10条(中途解約)
契約成立後、お客様が自己都合により本契約を解約する場合には、お客様は、デジタル鑑識実施前の契約解約の場合は、見積書に定めるデジタル鑑識料金の半額に相当する金額を、デジタル鑑識実施中およびデジタル鑑識実施後の契約解約の場合はデジタル鑑識料金および実費の全額に相当する金額を、契約解約料として当社に支払うこととします。

第11条(料金等の支払方法)
お客様は、当社が請求書で指定する各支払期限までにデジタル鑑識料金および実費を、法定の消費税を付して、それぞれ当社の指定する銀行口座に振込んで支払うものとします。振込にかかる手数料は、お客様の負担とします。なお、お客様が当社に対して支払った金銭は、いかなる場合でも返還されないものとします。なお、お客様と金融機関等の間で紛争が発生した場合、当該当事者双方で解決するものとし、当社には一切の責任がないものとします。また、お客様が、料金その他の債務(延滞損害金を除きます。)について支払期限を経過してもなお支払いをしない場合、お客様は、支払日まで、年 14.6%の割合による遅延損害金(1 年を 365 日として日割計算)を当社が指定する方法により支払うこととします。

第12条(再委託)
当社は、当社が必要と認めるときは、デジタル鑑識業務の全部または一部を第三者に再委託することができるものとします。

第13条(反社会的勢力に係る情報の報告義務)
お客様は、本契約の有効期間中に、風説、マスメディアの報道、インターネット等情報媒体または取引先等からの伝聞により、お客様またはその関係者、株主、従業員、顧問、取引先と反社会的勢力との関係を示唆する情報を得た場合、その真偽にかかわらず、当社に対し、その情報を得た旨および内容を速やかに報告しなければならないものとします。
2 お客様は、前項により自己または関係者等と反社会的勢力との関係を指摘された場合、当該事実が存在しない旨を速やかに書面により証明し当社の了承を得なければなりません。
3 当社は、お客様またはその関係者等と反社会的勢力との関係を示唆する情報を得た場合、お客様の同意を何ら要せず警察等関係当局への情報照会、その他の必要と認める調査を行うことができるものとします。

第14条(協議事項)
本約款の解釈に疑義が生じた場合、または本約款に定めのない事項については、お客様と当社で誠実に協議して解決するものとします。

第15条(準拠法と管轄裁判所)
本約款に関する準拠法は日本法とします。お客様と当社との間の本約款に関わる紛争については、訴額に応じ、松戸簡易裁判所または千葉地方裁判所松戸支部を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

附則
この利用約款は、2022 年 4 月 1 日に発行し、それ以降のサービスのご利用に適用されます。

以上